子どもが考えている「将来の夢」、理解できていますか?
今回の話題は、世の中のお父さん・お母さん世代のみなさん、特に中高生のお子さんを持つ方に本当に真剣に考えて欲しい内容です。
これより先の「みなさん」はそういった方々を指していると思って読んでいただけばと思います。
先日ソニー生命の行った「中高生が思い描く将来についての意識調査2021」の調査結果が公表されました。
この中に「将来なりたい職業」というものがありました。
結果を見てみましょう。
みなさんは、これを見てどのように考えますか?
そんなのになれるわけないよ!
甘いこと言ってる
世間をわかっていない
そういう風に思われている方も多いのではないでしょうか?
注目すべきこと
ここで注目すべきこと。
まずは男子のなりたい職業が中学生・高校生ともに大きな変化が無いことが挙げられるかと思います。むしろ高校生の方がお父さん・お母さん世代にとっては理解しがたいものが増えているようにも見えます。
ゲームとはなにごとか!
そういったご意見も聞こえてきそうですね。
一方で女子は中学生の夢が多少具体的とはいえお父さん・お母さん世代にとっては理解しがたいものが多いように感じる一方で、高校生になると割と現実的な思考へ切り替わった感があります。そんな中で順位が下がったとは言え、芸能人・Youtuber・デザイナーがTOP10に残っていること。またマスコミ関係が急に出てきたことは注目すべき点かと思います。
表面だけで判断するのは危険!深掘りしてみます。
ここで陥りがちなのは表面的な部分だけしか見ないこと。
それでは何も見えてこないでしょう。もう少し掘り下げることが必要です。
例えば「Youtube などの動画投稿者」。これを
遊びだ!
と考える気持ちを抑えて考えてみてください
どんなことをしなければいけないのでしょうか?
- 「動画」とあるわけですから、動画を作成すると言うことが必要なことは分かると思います。
- 投稿するわけですから投稿するためには「企画」が必要でしょう。
- 当然それをやる「演者」も必要です。
・・・あれ? これ、テレビと同じなのでは?
そうなんです。これ、テレビ局のやっていることとあまり変わらないんです。
テレビ局でしたらこれをチームで行います。
じゃあ、YouTube は?
みなさんはどんなイメージを持っていますか?
まあテレビよりは関わる人間は少ないかな・・・
つまり少人数、どうかしたらひとりでテレビ局のやっている番組制作をすることを指していることになるんです。
え!?それこそ無謀でしょ!!
それができるならテレビは成り立たないよ!
はい。成り立っていないんです。
え!?
事実、成り立っていないんです。
2021年5月20日、朝日新聞が『10~20代の約半数、ほぼテレビ見ず「衝撃的データ」』と言う記事を出しています。
またその元データは「NHK放送文化研究所」の「国民生活時間調査2020」にも公開されています。
少なくとも10~20代の半数に対してはすでにテレビは不要なものになってしまっているのです。
思えば今から20年くらい前、2000年前後では『芸能人』、『マスコミ』というのは夢や憧れの対象として必ず挙がる世界だったはずです。女子のなりたい職業に残ってはいるものの、男子の方は完全になくなってしまいました。これは一体どういうことなのでしょうか?
「NHK放送文化研究所」 では『テレビよりも睡眠や身だしなみ?~10代 朝のテレビ離れ』と、原因の一例が挙げられていますが、私の考えはちょっと違います。
パソコンが大きく関わっていると思います。
ここで突然ですがパソコンの話に切り替わります。
・・・ちゃんと最後に繋がりますからね。ついてきてくださいね。
パソコンの性能はどう進化した?
世の中でパソコンが劇的に普及したのはwindows95の発売以降かと思います。
その頃のパソコンってそんな性能だったでしょうか?
ちょっとwindows95が要求していたパソコンの性能を見てみましょう。
プロセッサー | 486SX 以上 |
---|---|
物理メモリー | 8 MB以上 (12 MB以上を推奨) |
ストレージ | 75 MB以上 (インストールする機能によっては、さらに容量が必要となる場合がある) |
リムーバブルドライブ | CD-ROMドライブ、FDDドライブのいずれか |
画面解像度 | 640 x 480 |
パソコンの性能は色々なパーツや技術など難しいことがいっぱいで単純なことではないのですが、ここではプロセッサーの性能だけに的を絞って見ていきましょう。
486SXというのはCPUの種類です。
このCPUは何種類かあって、グレードによって動作クロック数が変わります。
動作クロック数はいわゆる処理能力です。数値が高いほど高性能です。
486SXというCPUは16MHz~100MHzまでラインアップされていました。
では今のパソコンのCPUはどうでしょうか?
最近の会社で購入される一般的なノートパソコンを見てみましょう。
概ねこのあたりが妥当なラインだと思います。
さて、このPCに搭載しているCPUはいくつかあるのですが、中間レベルのCore™ i5-1135G7で見てみましょう。
このCPUの通常時の動作クロック数は2.4GHzです。
あれっ!?さがってるじゃない!!
よく見てください。単位が違いますよ。MHz(メガヘルツ)じゃなくてGHz(ギガヘルツ)です。
1000MHz=1GHzになります。
と言うことは486SXの最高クロック数100MHzと比較しても、今のパソコンは24倍の差があることにあります。
さらにこのCPU、コアが4つあります。コアとは処理をする要の場所。これが4つあるので同時に4つの処理を行うことができます。もちろん 486SX には1つしかありません。
そうすると24倍差の性能でさらに4倍の仕事をします。これで96倍ですね。
さらにこのコア。昔は1個ずつしか処理できなかったんですけど、1つのコアで複数同時に仕事ができるようになりました。
このCPUの場合、同時に2つの処理をこなすことができます。まあさすがにこれで2倍速くなるとは言いません。でもこのCPUはここぞと言うときに瞬間的にブースト処理が出来るようになっています。その時の動作クロック数は4.2GHzです。
つまりどういうこと?
・・・・・・結局どういうこと?
他にもこの20数年間の間いろいろな技術革新がありましたので結果的には
20数年前のパソコンよりも150~200倍くらい性能がアップしている
と言うことになるわけです。
スマホだって、すでに昔のパソコンではもう太刀打ちできないほど高性能になっています。
この性能アップがもたらしたこと。これが今の若者の生活を変えているわけです。
手が届かないから『憧れ』だった
みなさんはテレビ番組と同じような番組を作ることはできますか?
え?できないよ・・・
今の子どもたちは作り方分かってますよ。
え!?
今のパソコンを使えば作れます。
そうなんです。みなさんが若い頃には絶対にできなかったこと。
それが今の進化したパソコンではできてしまうんです。
昔よりも進化したパソコン、これに合わせて世の中には動画を作成するツールも登場しました。
非常に高価なものでした。しかし、PCの性能アップとともに動画編集のハードルが下がり、ユーザーが増えて、結果的にコストダウンに繋がって・・・
ついに今ではそういったツールがなんと無料で使えるようにまでなってしまいました。
YouTuberの有名な人でも無料ツールで配信をしている方がいるくらいの世の中なんです。
実際に、本当に手が届く環境がもうすでに各家庭にあるわけです。
さて・・・
この状況下でテレビやマスコミ・芸能界に興味は湧くでしょうか?
自分でできる。自分の好きなYouTuberもそれをやっている。
調べたらその方法まで公開されている。
だったら、わざわざマスコミや芸能界に行かなくてもいいじゃん!
これが答えなんだと思います。
じゃあ女子の結果はどうなってるの?
では高校生女子の夢に現実的なものが増えた一方で、芸能人・Youtuber・デザイナーがTOP10に残っていること。またマスコミ関係が急に出てきたことはなぜでしょうか?
恐らくですがパソコンについての知識の有無がはっきりと分かれているのではないかと想像します。
今となっては珍しくもないんじゃないでしょうか?
職場でパソコンよりもスマホが得意という20代。
家にパソコン無いけどスマホあれば十分じゃない?と言う方。
プログラマーの女性比率が約2割というところからも教育課程に組み込まれたとはいえど、まだまだパソコンへの興味が男子よりも薄いのではないかと思います。そのため従来通りの芸能人やマスコミなどへ興味を持つ子がいる一方で、PCの知識を持った子が Youtuberやデザイナーというパソコンありきの職業へ興味を持つ。
その結果が今回の結果に表れているように感じます。
知らなかったでは済まされない!?
いかがでしたか?
いきなりYouTuber!なんて言われるとその表面的な部分だけで判断しがちですが、しっかりと掘り起こしてみると、今の子どもたちって、私たち以上に今の状況をよく見ていると思いませんか?
事実、今の私たちの生活には『動画』がいっぱいあふれています。
分かっていないのは私たちかもしれませんよ?
新しいトレンドの先駆者になるかもしれない子どもたちの夢や憧れの話、表面だけで判断するのではなく、ゆっくりじっくりと話をする時間を作ってみてはいかがですか? もしかすると自分たちでは気づいていなかったこと、知らなかったこと。子どもたちはもっとたくさん持っているかもしれません。
そして近い未来、子どもたちの言うことが現実になるかもしれませんよ?
だって、最終的にはこの子たちが社会の中心になるんですからね。